かべNEWS 
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新たな特産へ クラフトビールで地域を元気に 

県内でも珍しいビール醸造所が4月から稼働しています。製造者の、クラフトビールに込めた思いを取材しました。

3年越しの夢醸造所オープン

 4月、亀山にある「広島北ビール亀山醸造所」が、クラフトビールの醸造をスタートしました。製造者は、広島北ビール株式会社の平本祐也代表。愛知県の大学に進み、初めてビールを飲んだ時あまりにおいしく、以来、大のビール好きになったそうです。その後広島に戻り仕事をしながら、3年前から「自分も何か作り出したい」「好きな物に関わりい」と思うようになりました。
 ある日、ビールバーに立ち寄ったことが転機に。その店には全国にあるクラフトビールが10種、世界のクラフトビールが8種置いてあり、ビールも製法やホップの量などでさまざまな種類があることを知った平本さん。「ラガー系、エール系それぞれの中に、幅広い種類のビールがあることにびっくり。自分の大好きなビールに関わる仕事がしたいと思った瞬間です」と振り返ります。そこから、仕事の傍ら、ビールについて勉強する日々が始まりました。県内のビール工場を見学し「ビールとは」というところから学んだり、島根県のクラフトビール醸造所に研修に行き、一日の製造工程を確認したり。平本さんは、ビールに関わる多くの人たちとすてきな出会いがあったことに感謝し、ビール醸造の夢へ一歩前進しました。

副材料は広島産地元色強いビール

 醸造所を稼働させる場所探しに奔走していたところ、自身の出身地である三入の近く、亀山にある古民家を紹介された平本さん。梁などはそのままに、建物内を改修。醸造に必要な、大切な仕込み水は、井戸水で確保。3月には発泡酒製造免許を取得し、4月から念願のビール醸造をスタートさせることができました。
 クラフトビールには、広島県産の副材料を使用するのが平本さんのこだわり。現在「カキ」「甘夏」「柚子」の3種を製造、販売しています。これからも旬を意識した季節のフルーツなどをどんどん使用していきたいと思案中。年内に約8000㍑、瓶にして2400025000本の製造を予定しており、来年はスタッフを増やしてもっと設備を充実させ、より多く出荷したいと意気込んでいます。

ビールをツールにまちおこしを

 現在、一人でも多くの人にクラフトビールの味わいや魅力を知ってもらおうと、飲食店での取り扱いを拡大中です。「食事をしながらクラフトビールを飲んでもらい、ビールや安佐北区に関する話が弾めばうれしいです」と平本さん。徐々に、飲食店等からの問い合わせが増えているそうです。「安佐北区にクラフトビール工場がある、と知ってもらい、県外からでも人が訪れるようになれば、地域活性化につながるのでは」と、道沿いに、目を引く大きな看板も設置しました。
 平本さんは現在、ビール醸造場での仕事の合間に、スポーツ少年団にて野球の指導もしています。ビールも野球も、地域が元気になる一つのツール。「私ができることで地域に貢献できたら」と願っています。

広島北ビール株式会社
本社/安佐北区三入東2-45-8
醸造所/安佐北区亀山9-1-4 0825574398
ファクス 0 8 25574397

*不在の時もあるので、来店前に電話で確認を


クラフトビールとは
 クラフトビールとは大手メーカーが大量生産するビールと違い、年間生産量に制限のある、小規模醸造所で作られるビールのこと。「地ビール」とも呼ばれる。20数年前に一度ブームになり、やがて下火になったが、近年醸造技術が向上し、ノウハウが確立されたことで、再び事業者が増えている。