「電化促進」から「利用促進」へ 
可部駅・河戸駅間電化促進期成同盟17年を回顧
平盛期成同盟会長に聞く

広島市とJRがJR可部線・可部―旧河戸駅間(安佐北区可部〜亀山南)の路線復活と電化へ動き出したことで、可部駅・河戸駅間電化促進期成同盟会は解散し、17年にわたる活動に幕を下ろした。会の先頭に立って取り組んできた平盛儀範会長(84)=亀山南4丁目=に聞いた。
 ―期成同盟会は可部―旧三段峡間が廃止される9年前に結成され、この3月末で解散しました。17年間をふり返って。
 会員は三段峡までの廃止で同盟会の活動が断絶してはいけない、あきらめてはいけないという強い意志で初志を貫いた。鉄道は地域の動脈。その動脈が廃止になっても、電化延伸の血管までは切られないよう頑張るのが同盟会の取り組みだった。組織を継続してよかったというのが実感。
 ―電化延伸のための取り組みはいろいろありましたが。
 これまでは各地の地方鉄道の利用促進の取り組みを視察する一方、太田川や沿線の観光名所など魅力を紹介するマップ、ガイドマニュアルを計2万5千部作成して関係団体に配布した。地元では女性団体が地域の特産を販売するオープンカフェを開設したり、廃線敷きを花で飾る取り組み、可部線に乗るプロ野球観戦をし、太田川ではアユのつかみ取りなど親水公園構想も進んでいる。これらは、千客万来事業として長期間、取り組んできた。電化延伸に見通しがついた後は利用促進をどう盛り上げるかが課題。
 ―今後、駅周辺の開発など課題もあります。
 鉄道は地域の活性化を高める役割が大変、大きいことを共通の認識としたい。鉄道は大量性、定時性、高速性、環境性の面で他の交通に勝る。その動脈の新しい終点駅と中間駅までのアクセス、駅周辺の空き地の開発、踏切を高架にする問題、乗客を呼び込むための継続した対策など課題は多い。2度と廃止されないためにも、強い意志で「延伸してよかった」という結果を出したい。
 ―同盟会の最終報告書で新たな取り組みへの決意を述べておられます。
 取り組みは今後「利用促進」へと衣替えする。地域の人が自分で地域に愛着と誇りを持ち、電化延伸を起爆剤に多くの人が住み、学び、働き、安心・安全に憩えるまちづくりを目指すことが肝心。それには孫の時代まで見据えた方策を考える時です。延伸で動脈の血管がよみがえり、身体部分の地域に活力が生ずれば大きな喜びです。



電化促進の経過
▼1994年7月=可部駅・河戸駅間電化促進期成同盟会結成
 9月=広島市長と西日本旅客鉄道広島支社長に1万4636人の署名を添えて電化を要望
▼2003年3月=可部線廃止に伴う地元協議会結成、可部線沿線のまちづくり懇談会結成
 12月=JRが可部―三段峡駅間(46・2`)を廃止
▼08年9月=市はJR、バス会社とJR可部線活性化協議会結成(10年に活性化連携計画策定)
▼10年9月=市は市議会で11年度中の電化延伸着工をJRと協議中と答弁
 12月=JRは11年度着工を想定した環境影響評価実施計画書を市に提出
 10年度=市は延伸区間の基本設計経費を計上
▼11年3月末=電化促進期成同盟会解散
 11年度=市は当初予算に実施計画と工事関連経費を計上
▼6月=可部線沿線のまちづくり懇談会が発起人となって可部線利用促進同盟会(仮称)結成へ 
 ※市とJRは13年度までの完成を目指すといわれる