地域でいま 7月

安佐北区亀山南3丁目の
亀山公民館で1月と8月を除く毎月第2日曜に開院する「ひろしまおもちゃ病院かめやま」がスタートして8年。物を大切にする節約世相を反映してお宝の修理再生(治療)が好評だ。


 おもちゃ病院は壊れたおもちゃをボランティアのスタッフ(医師)が修理する。市内では32年前の1978年に祇園公民館で初めてスタート。そのあと2002年の亀山に続いて五日市二葉の各公民館で開院し、スタッフは4館計約30人。平均年齢は66歳。各開院日に他の公民館のスタッフが応援する。
スタッフの応援制で年に175件修理
 スタッフは在職中に電気や配線、各種メンテナンスなどに従事した人が多い。歯車や心棒など必要な部品も自ら作る器用な「名医」の集団で、みんな「故障が直ったときの子どもの喜び」が励み。
 持ち込みは子ども1人1点。預け修理(入院)はできない。電池は新品を持参する。
 「患者」は金属や木工、布、プラスチック製のおもちゃ、人形、置物、オルゴールのほか蓄音機も。トランジスタや電気仕掛けのものが多い。最近は電子機器のゲーム機も目立つ。4公民館での修理は1館平均年間200件、計約800件。
 祇園公民館で最初に立ち上げ、組織全体の「ひろしま おもちゃ病院」代表の大島誠二さん(72)=安佐南区西原1丁目=は「初めは修理道具やおもちゃの資料集め、修理方法の情報交換、人集めの苦労もあった。物が豊富だったバブル当時に比べて修理が4倍に増える繁盛で、今は子どもにも不況の波が押し寄せている。匠の仕事を引き継いでもらう退職された若い世代の仲間入りを歓迎」と強調。
 大島代表と一緒に祇園で開院したあと「かめやま」の初代院長をし、現在、組織全体の総務担当の寺脇幹雄さん(61)=可部町勝木=は「バブルのころは修理すると新しいおもちゃが買ってもらえないのでがっかりする子どもがいた。今は直らないとがっかりするのでスタッフの修理にも熱が入る。親子で物を大切にする心を共有してほしい」と病院開設の基本的な狙い。
 「かめやま」を運営する地域のスタッフは寺脇さんを含め5人。開院日は応援を得て10人前後。昨年度は175件を修理した。
 亀山の最初からのメンバーで現在院長の秋穂一成さん(75)=亀山6丁目=は「退職後、近所の子どもの壊れたおもちゃや自転車を直して喜ばれ、『修理します』の看板を掲げようかなと思っていたとき、公民館のおもちゃ病院スタッフ募集を知った。祖父や父親が使っていた壊れたおもちゃを再生するケースが多い。修理を通して人との交流の輪が広がるのが楽しみ」と話し、亀山公民館でのスタッフを募集中。
 寺脇さんと知り合いで退職を契機に3年前からスタッフに加わった増田孝省さん(68)=亀山南5丁目=は「孫のおもちゃを直し『じいちゃんはすごいね』と喜んでくれたのが参加の動機。初めは直せず教えてもらうことも多かった。最近は微小チップを使った中身の見えない難しい修理もあり、他の公民館からの応援は心強い」とチームワークによる成果を感じる。
 秋穂さんの妻・千寿さん(70)は各会場で受付を担当。「スタッフの方が受け付けると手元の修理が中断するのを見かねて手伝うようになった。親が受付表に記入するときは子守りもする」と話し、カルテ(修理希望)や処方せん(修理結果)の記入、公民館への結果報告もする。布製人形の繕いは得意分野。修理したおもちゃを渡すとき「買ったり、もらったときの喜びを忘れず、かわいがってね」と声をかける。
 修理は無料だが、会場に募金箱を置き、寄せられた基金は修理の材料費に充てる。
 亀山公民館の児玉隆治館長(62)は「安佐北区でおもちゃ病院は当館だけなので喜ばれている。お年寄りと暮らさない子どもが増えているとき、親切なおじいちゃんたちとゆったりとした会話の中で大事なおもちゃを直してもらう風景は、ほのぼのとする。その雰囲気も好評の一因」とスタッフに感謝する。
 4公民館のおもちゃ病院は2006年に「市民に夢と希望、安らぎを与えた」として市長から市民賞、マツダから市民活動賞を受けた。病院は先行4ヵ所のあと最近は草津、美鈴が丘、吉島公民館にも開設された。
 亀山公民館の「おもちゃ病院」のスタッフ申し込みなど問い合わせは同公民館・電話(815)1830 
 
来年から住宅に火災警報器の設置義務 
安佐北消防署 音楽隊、マスコット登場でPR

    
安佐北消防署(松川恭介署長)は住宅用火災警報器の設置を呼びかける催しを6月5日、可部7丁目の山陽マルナカ可部店の玄関広場で開いた=写真。
 市消防音楽隊11人によるミニコンサートでは「イン・ザ・ムード」「また君に恋してる」「夢をかなえてドラえもん」などを軽快に演奏。安佐北消防団の女性隊員10人が「つけましょう!住宅用火災警報器」と題した寸劇を披露。安佐北消防署のマスコットキャラクター「ゴン太」も出演して警報器設置の重要性を訴え、50人近い買い物客から拍手がわいた。
 会場には警報器の設置促進キャンペーンのノボリが並び、住宅用火災警報器も展示した。
 消防法の改正で、すべての住宅に火災警報器の設置が義務付けられて4年。既存の住宅は5年間の猶予期間が来年の5月末まで。翌6月1日から義務化される。
 安佐北消防署は、これまで自治会、町内会、自主防災組織の会議に出向いたり、チラシやイベントで警報器の共同購入による設置などをPR。1年後に迫った義務化を知ってもらおうと予防、救助、消防隊員を動員してキャンペーンに力を入れた。
 安佐北区の設置率(サンプル調査)は、昨年5月の32・9%から今年3月が34・8%へと少し増えた。
 多谷信勝予防課長補佐(59)は「管内の設置率はまだ低いが、警報器のことを聞いたことのある人は9割近い。それだけに警報器を取り付けていて大事に至らなかったケースや設置の義務化などを説明して未設置世帯への設置を推進したい」と強調。
 今後、11月に安佐動物公園でゾウが出演する義務化半年前キャンペーンを予定している。
 住宅用火災警報器に関する相談は安佐北消防署・電話082(814)4795